ソニーの高級コンデジ「RX100M6」の予約&購入記事を書いてから約2ヶ月。
今回は、実際に使ってみた感想やレビューをご紹介したいと思います!
M3との比較で良かったところ・イマイチなところ
まず最初に、15万円近くする高級カメラを買ったわけですから、人は無意識に「悪いはずがない」「自分は失敗していない」というバイアスがかかるものです。
なので、これから購入を検討されている人のためにもできるだけ中立にというか、人からただで貰ったくらいの感覚で良し悪しをレビューしたいと思います。(…難しいかなw)
M6/M3 スペック上での比較
DSC-RX100M6 | DSC-RX100M3 | |
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発売時期 | 2018年6月22日 | 2014年5月30日 |
参考価格 | 149,800円 | 64,200円 |
撮像素子 | 1.0型 積層型CMOSセンサー |
1.0型 裏面照射型CMOSセンサー |
焦点距離 | 24-200mm | 24-70mm |
絞り値 | F2.8-4.5 | F1.8-2.8 |
連続撮影速度 | AF/AE追従約24コマ/秒 | 約10コマ/秒 |
オートフォーカス方式 | 315点像面位相差AF /25点コントラストAF |
25点コントラストAF |
動画撮影 | 4K/Full HD | Full HD |
画面サイズ | 3.0型/約92万ドット | 3.0型/約122.9万ドット |
重さ | 約301g | 約290g |
他にもあると思いますが、ひとまず僕が購入前に気になったところ(比較したところ)をピックアップしました。
価格は記事を書いている時点でのAmazon価格ですが、M6の予算でM3が2つも買えちゃいますね^^;
センサーは引き続き1.0型ですが、M4以降から「積層型」のCMOSセンサーに変わっています。僕にはさっぱりでしたが、積層型CMOSセンサーの詳細を知りたい方は以下のリンクをご参考ください。
※sony 積層型CMOSイメージセンサーの特集記事
RX100M6の良かったところ
M3からの移行で感じた良いところはこちら。
- やっぱり便利!200mm望遠レンズ 【☆5】
- 素早いカメラ起動&ピント合わせ 【☆4】
- ピタッと一発!タッチフォーカス 【☆3】
- 真上から綺麗に撮れるバリアングル 【☆2】
やっぱり便利!200mm望遠レンズ 【☆5】
RX100M6の目玉であり、発表されたときから賛否両論あった望遠レンズ。
「果たしてコンデジに200mmも必要なの?」「使う機会あるの?」など思うところもありましたが、やはり自分が動かず被写体にどーんと近寄れるってめちゃくちゃ便利です。
百聞は一見に如かずで、さっそくサンプル写真を御覧ください。
※写真をクリックすると大きく表示できます
撮影時は5472×3648ピクセルで撮りましたが、いま見ていただいたのはブログ用に1200×800ピクセルに縮小しています。それでも、RX100M6のズーム感は伝わったのではないでしょうか。コンデジでここまで寄れる時代がきたんですね。
ちなみに、RX100シリーズではズームの設定が以下の3つから選べるようになっています。
- 光学ズームのみ
- 全画素超解像ズーム
- デジタルズームのみ
僕は何も考えずに使ってましたが、さきほどのサンプル写真はすべて「光学ズームのみ」で撮影したものです。
改めて調べたところ、3つのズーム設定のうち「光学ズームのみ」が一番画質がよく、次に「全画素超解像ズーム」、「デジタルズームのみ」の順に画質が落ちていき、その代りに「全画素超解像ズーム」は200mm✕2倍(画角400mm相当)、「デジタルズームのみ」は200mm✕4倍(画角800mm相当)にまでアップにできるそう。
それはすごい!ということで、「全画素超解像ズーム」「デジタルズームのみ」でもサンプル写真を撮ってきました。
「全画素超解像ズーム」モード ※写真をクリックすると大きく表示できます
「デジタルズームのみ」モード ※写真をクリックすると大きく表示できます
もうやばくないですか!?
確かに画質は落ちますが、遠くにある立て看板や、近くで見ても小さいメニューの文字が読めたときは、思わず「おぉ…」と声が出ましたよ。
咄嗟に思いついたのは「野鳥」と「張り込み」でしたが、他にもいろいろと便利な使い方ができそう。なにより目一杯にズームしたときの狙撃感がたまらないので、しばらくは無駄なズーム写真が多くなりそうです^^;
ただ、200mmともなると手ぶれの影響がかなり大きく、わずかな揺れで被写体が一瞬にしてフレームアウトするので、さすがに「デジタルズームのみ」での手持ちは厳しいかも。三脚を使った撮影であれば全然問題なしです。
素早いカメラ起動&ピント合わせ 【☆4】
M5との差はわかりませんが、これまでずっとM3を使ってきたので、このスピードアップは大きく感じました。
電源ボタンを押してから撮影できるまでの時間が短縮されたことで、「あ、撮りたい!」と思ったときの心理的ハードルが下がり、スナップ撮影がますます楽しくなった気がします。
それに加えてシャッター半押しでのピント合わせも早くなったので、ブレて失敗した写真がこれまでより少なくなりました。
手軽に綺麗に撮れるので、助かります。
ピタッと一発!タッチフォーカス 【☆3】
個人的に待望の機能だったので、やっとキター!という感じです。
オートフォーカスも高性能なんですが、撮りたい構図や、ピントを合わせたいものが明確に決まっている場合には、液晶パネルでピタッと決められるのが本当に楽なんです。
動き回る子供を撮るときなど、いままでは都度シャッター半押しで修正してましたが、基本的にはカメラ任せなので必ずしも子供にピントが合うわけではなく、タイミングが遅れて撮り逃すこともありました。
なにより専門知識がなくても直感的に操作できるのが便利です。
真上から綺麗に撮れるバリアングル 【☆2】
M6から、液晶モニターが手前に90度倒せるようになり、俯瞰アングルでもプレビューを確認しやすくなりました。
これは正直どっちでもいいと思ってましたが、使ってみるとやっぱり便利というか、面白いです。へぇーこんな写真が撮れるのかーという発見がたまにありますね。
普段から外食の多い人なら、映える料理に出会うこともあると思いますので、ますます撮りごたえがありそうです。
仮に、次の機種(M7)でこの機能が無くなっても全然困りませんが、倒せるんだったら倒せたほうがいい、という所感です。
RX100M6のイマイチなところ
M3からの移行でイマイチと感じたところはこちら。
- F1.8からのF2.8はやっぱり気になる 【★4】
- タイムラプス撮影ができない 【★3】
- 音声入力レベルが小さい 【★3】
- 4K動画撮影時の手ぶれ補正が弱い 【★2】
F1.8からのF2.8はやっぱり気になる 【★4】
現在は僕がM6、奥さんがM3、というようにRX100を併用して使っているのですが、同じ場所で撮り比べる機会が多いとどうしても気になってしまいますね。
公園とか野外であればいいのですが、室内の暗い場所だとやはり差が出るので、明るさを重視したい人はM5の方がいいと思います。
まぁ比較をしなければこんなもんでしょうというレベルなんですが、iPhoneのカメラがF1.8という時代ですから、日頃から明るい写真を見慣れていると、やや物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。
先ほど紹介した「航空科学博物館」の写真は、曇りの日に室内から撮影したものです。暗くなりやすい条件で撮ったときはこのような感じになります。ご参考までに。
タイムラプス撮影ができない 【★3】
うーん残念。
M3ではよく使っていたタイムラプス機能(PLAYMEMORIESカメラアプリ)ですが、M6では対応していないため使えなくなってしまいました。
幸いGOPROがあるので、旅行時のタイムラプスはサブカメラのGOPROに任せることにします。
M3と比較して音声入力レベルが小さい 【★3】
これは僕だけしか困らない問題ですが、動画ファイルの編集時に気になったところ。
M3とM6の動画を編集している時に、あきらかにM6の音声入力レベル(音量?)が低いんです。
それぞれ、M6だけ、M3だけ、で撮影したときは同じカメラのファイルなので気にならないんですが、2つのカメラで撮影してあとで時系列にした時に、音が大きかったり小さかったりで調整が面倒なんですよね。
M6の設定で「マイク基準レベル」というのがあって、「標準」と「低」が選べるのですが、どちらを試してもM3より音声レベルが低かったです。
周囲の音を一定のレベル内におさめて録音する。日常の会話の録音に適している。
低:
周囲の音を忠実に録音する。演奏会などで、臨場感のある音の録音に適している。
もしかしたら録音性能は上がってるのかもしれませんが、できれば同じレベルにしてほしかったなー。
4K動画撮影時の手ぶれ補正が弱い 【★2】
僕は記録容量が大きくなるのと、編集時のPCスペックを求められるのであまり4K動画は撮らないのですが、ここぞという時の4Kで気になったのが手ぶれ補正。
普段のフルHDモードのときは「インテリジェントアクティブ」という強力な手ぶれ補正が使えるのですが、4Kモードのときは、2つ下の「スタンダード」しか使えないんです。
見られなくはないのですが、歩きながらの撮影はちょっとつらいので、スタビライザーか三脚を使った撮影で利用するのがいいのかなと。
変更になったけど気にならなかったところ
心配してたけど、実際に使ってみたら気にならなかったところは、
- 液晶モニターの画素 約123万ドット → 約92万ドット
- 本体の重量アップ 約290g → 約301g
- バッテリーの持ち時間(参考までに)
液晶モニターの画素 約123万ドット → 約92万ドット
液晶モニターの画素数が下がりましたが、M3と比較してもそんなに差は感じませんし、正直ここではプレビューできればよくて実際の写真や動画が綺麗であれば不都合ありません。
本体の重量アップ 約290g → 約301g
カメラ本体が約11g重くなりましたが、2つを両手で持って比較するとわかるくらいで、普段の使用、持ち運びはまったく問題ありません。
バッテリーの持ち時間
バッテリーの仕様は前回から変更なし(NP-BX1)ですが、M6で撮影しているときの持ち時間が気になっていたので参考までに載せました。
結論としてはM3と変わらずいつもどおりの持ち時間な気がします。たぶん4K動画撮影をしなければ変わらないんじゃないかな?いまのところ減りが早いと感じることはないです。
どんな用途に向いているか?
RX100シリーズは今でもM1~M6まで販売されているので、必ずしも最新のM6を買わなければいけないわけではありません。さきほど紹介したM6ならではのメリットに価値を感じなければ、他のカメラの方が安く済むからです。
僕が思う、RX100M6が活躍するシーンは、
- 旅行
- スポーツ観戦
- 子供の運動会
- 動物園・野鳥観察
- 登山・キャンプ
などなど。
やはりズーム機能が活きる場面ですね。
そんな中でも、旅行用カメラとしてはかなり重宝すると思います。
観光スポットの中には歴史的な建造物や世界遺産もありますが、そういう場所では立ち入り禁止区域があって近くにいけないこともあるため、細部をよく見たいとき、他の観光客が映らないように写真を撮りたいときは、200mmズームが力を発揮します。
あと、地味に活躍するのがサンプル写真でもやっていた案内表示の確認。
特に海外旅行では時刻表や案内標識をじっくりと、何度も確認したい場面がありますし、気になるお店を見つけたときに、望遠鏡代わりに使えば近くに行かなくてもメニュー表が見られるので、お店の人の視線や熱烈な客引きも回避することができます(笑)
僕にとって嬉しい、RX100の理想スペック!
最後は、もし来年RX100M7が発売されるとしたらぜひこうなってほしいという願いをこめて、僕の理想スペックを(笑)
- 24-200mmはそのままで、ワイド端時 F1.8~
- 4K動画でも手ぶれ補正インテリジェントアクティブに対応
- 電子ビューファインダー(EVF)を廃止
- ↑その代わりにアクセサリーシューと外部マイクの入力端子を追加
動画の撮影頻度が多い僕としては、ぜひ外部マイクの入力端子はお願いしたい!何なら内蔵フラッシュも廃止してもらっていいので…
なんて妄想は尽きることはありませんが、まだまだRX100は可能性を秘めているコンパクトカメラだと思いますので、これからも私たちを驚かせてほしいですね!※追記:RX100M7が発表されました!(2019/07/27)
以上、RX100M6を2ヶ月使ってみた感想でした!